音楽

THE BACK HORN「カルペ・ディエム」の全曲感想、レビュー

THE BACK HORNの12thアルバム

「カルペ・ディエム」の全曲感想を書きます。

それでは、どうぞ。

心臓が止まるまでは(☆☆☆☆☆)

この曲はすごい。

その一言に尽きる。

まさに新旧バックホーンが入り混じった曲で、シンセやらピアノやらを取り入れているところは新しいけど、ちょっとグランジーでカオスな雰囲気は従来のバックホーン。

歌詞でいうと「心臓が止まるまでは 全身全霊生きたがって叫ぼうぜ」なんて泥臭く「生きること」に執着してるところがまさにバックホーン。

というか、「罵詈雑言土鍋で 三・四日ほど煮込んで 頭からぶっかけたい クズ野郎」なんて歌詞よく思いつくし、メロディーに乗せられるなと感心します。

「バックホーン以外のバンドがこの曲をつくれるか?」

という観点で考えたとき、今回のアルバムで1番オリジナルティが高い曲だと思うし、20周年以降のバックホーンの代表曲になっていくと思う。

金輪際(☆☆☆☆)

この曲を聞いて思ったのは「やっぱり作詞作曲栄純は強いな」ということ。

他のメンバーの曲が悪いわけではないけど、栄純のフリ切れ方、曲のキャッチーさはレベルが違う。

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ」

のサビはちょっと狙ってる感もあるけど、ちゃんとバックホーンのファン層に刺さるし、栄純は職人だなーと思った。

ただ、個人的にこの曲は「薄給激務で働くバンギャ」をイメージして聞いているので、「9回裏満塁で放る~」の歌詞は人物像を特定しすぎで若干萎えるなー。と思いました。

そう考えると、どんな主人公像でも想像できる「悪人」の歌詞はやっぱりすごかったんだなって。

鎖(☆☆☆)

言い方悪いですけど、バックホーンの基準というか、標準的な曲というイメージ。

Aメロの怠そうな歌い方が新鮮で、夜の繁華街を歩きながら聞きたくなる曲。

ギターのリフとかカッコイイけど、全体的に曲が違和感なくスーっと進むので、良い意味でも悪い意味でも心に引っかかるポイントはなかったかな。

ライブでは盛り上がりそうですけどね~。

フューチャーワールド(☆☆☆☆)

この曲のイントロを聞いたとき、レッチリの「Magic Johnson」を思い出しました。

バックホーンが面白いバンドだなーと思うのは、年を重ねるとマイナスの計算を始めるバンドが多いのに、どんどんプラスの計算をするところ。

年を取るごとに歌詞の言葉数、音の手数が増えているところが面白いです。

で、この曲はやっぱり光舟のベース!

ギターはファンクっぽいフレーズだけど、光舟のベースラインはほぼ休符がなく、ずっとバキバキにスラップ連発なのが面白い。

あと、「面白くなき世を面白く」からなだれ込むようにサビに入り、一気に開ける展開が面白いと思いました。

ただ、歌詞は「胡散」と同じ系統で、ちょっとマンネリ気味かな…。

ソーダ水の泡沫(☆☆☆)

「情景泥棒」でも思ったけど、松田は言葉のチョイスが面白い。

ソーダってサッパリする飲み物だけど、泡沫はぼんやりと淡いイメージがあって、よくこの言葉がくっついたなーという感じ。

曲もそんな感じで、濃いアルバムの緩衝材としてサッパリする曲である一方、ギターの音色や歌詞はかなり淡い感じ。

松田は昔を振り返る系というか、ちょっと暗い青春感のある歌詞を書くのが上手ですよね。

2番サビ終わりのベースソロは、はじめギターでやる予定だったらしいですね。

ベースソロに変えて大正解だと思います!

ベースの方が音が暖かいから、曲のイメージにはまってます。

ペトリコール(☆☆☆☆)

冒頭の「ひゅるりひゅるり」を聞いたとき、なんとなく「シュプレヒコールの片隅で」の冒頭を思い出しました。

将司の囁く声って、脳に直接話しかけられているようなパンチ力がある。

歌詞はよくわからないけど、「ひゅるり」「パジャマのまんま」とか、どこか気持ち悪い童謡感があって心地よい。

あと、この曲のAメロはすごく「8月の秘密」っぽくて、休符が不気味さを演出しているところがそっくりです。

個人的に、最後まで盛り上がらないでずっと気持ち悪い童謡で終わるのもありかなと思ったけど、やっぱり今のバックホーンのモードだと最後は盛り上がるべきだよな。と肯定したい気持ちも強いです。

デスティニー(☆☆)

んー、イマイチ盛り上がらない…。

個人的に「タソカゲ」とかと同じ系統の曲で、どこでグッとくればいいか分からない曲だった。

終盤プログレっぽい展開になるところは好きだけど、オケの使い方がチープというか、この曲はもっと肉体派の演奏で良かったのかなーと思いました。

プログレっぽい展開の曲でいえば、ボーカルが爆発するパートがある分だけ「再生」の方がグッときます。

ただ、ちょっと複雑な曲なので、もっと聞き込めば感想が変わるかもしれません。

太陽の花(☆☆☆☆☆)

この曲は新しいライブ定番曲になるだろうなー!

まず、イントロがすごい良い。

打ち込みスタートという点は新しいバックホーンだけど、光舟の和メロが入ると一気にバックホーンらしい「和」な曲になります。

あと、途中からの合唱パートが面白いですね。

裏のピアノのメロディーをそのまま合唱するという。

「ボヘミアンラプソディーみたいだな」と思ったら、思い切りその影響だったみたいです!

あと、将司が昔ほど高い音を出せなくなった分、ハモリで歌に幅を持たせているところがすごいなと思いました。

もっと将司に高く叫んでほしいと思う一方、やっぱりもっと長くバンドを続けてほしい気持ちが強いので、キーを下げて栄純が上でハモる方向性は正しいと思います。

I believe(☆☆☆☆)

最近の栄純っぽい曲だなー、と思う曲。

栄純が主人公ありきの物語っぽい歌詞を書くようになったのは、いつごろからなのだろう。

「I believe」と英語を使っているところや、アンビエントっぽい音色は新しいですけど、分かりやすいくらいソフト→ハードに盛り上がる展開という意味では、バックホーンの王道中の王道みたいな曲ですよね。

「ばか」

の言い方が最高で、将司は本当に表現の幅が広いボーカリストだと感心しました。

果てなき冒険者(☆☆☆☆)

バックホーンに出会ったばかりの頃に聞いたら、絶対に「こんなのバックホーンじゃない」としたり顔で否定していた曲。

でも、今はすごく染みます。

「アサイラム」くらいから言葉数が増えて、無理に言葉を崩して歌うことが増えたので、こういう歌詞がしっかり聞き取れる曲は嬉しいです。

こういう曲を聞くと「将司、いい声だな~」「優しい声だな~」と思える。

「もし生まれ変わっても同じ道選ぶよ」

のフレーズが好き。

松田の歌詞は安定感がありますよね。

ただ、オケの使い方が「キズナソング」とほぼ同じで、サビ裏で雰囲気を醸成する以外のオケの使い方を目指してくれ~。と思ったり。

すごいオリジナルティ高い曲をつくるバンドなのに、オケの使い方だけ毎回ド直球のJ-POPちょっと笑えます。

アンコールを君と(☆☆☆)

「いつものアルバム最終曲」という感じ。

しっとり終わるアルバムが好きなので、そろそろ「枝」みたいな曲で終わるアルバム来ないかなー。

と思う一方、最後にライブ向けの曲を用意するあたり、本当に今のバックホーンらしいな。と肯定したい気持ちも強いです。

ライブの最後がこの曲なら気持ちいいだろうし、やっぱりアルバムの最後もこの曲で正解です。

「カルペ・ディエム」の感想(総評)

かなり好感触です!

「情景泥棒」から本格的に取り入れた打ち込みに磨きがかかっていて、まさに新しいバックホーンの始まりを告げるアルバムになったと思います。

メンバー全員が作詞・作曲(松田は作詞のみ)できるという強みが生かされていて、かなりバリエーションに富んだアルバムになってますね。

バックホーンのような劇場型のバンドがここまで長生きできたのは、栄純のワンマンバンドじゃなかったからなんだろうなあ。と思いました。

ただ、その一方で、やっぱりアルバムのキーになるのは「心臓が止まるまでは」「金輪際」「太陽の花」みたいな栄純の曲で、栄純の存在感デカいなーと思いました。

やっぱり栄純の曲はキャッチーさが違いますよね。

昔は「感性爆発」みたいな曲が多くて、感情派の人だと思っていましたが、今回のアルバムを聞いたりインタビューを読む限り、栄純って本当はかなり理論派で、職人気質な人なのかなーと思いました。

個人的に、「金輪際」あたりはかなり狙ってつくってると思うんですよねー、わかんないですけど。

正直、他のメンバーの作曲レベルが栄純に追いついていないように感じるけど、アルバムトータルで見ると栄純の曲だけだと胃もたれするので、いい塩梅になっていると思います。

特に、松田の歌詞は昔から安定感があって、かなり清涼剤になってるなーと思いました。

とにかく!

かなり良いアルバムでした。

以上、「カルペ・ディエム」の感想でした。

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