Syrup16g『delaidback』の感想!再結成後の最高傑作です!




2017年11月8日にリリースされたSyrup16gの最新アルバム『delaidback』。

未発表曲をまとめたアルバム『delay』シリーズと言うことで、“犬が吠える”時代の曲や「生還」で披露された曲などが収録されるということで期待大でした。

期待大でしたが、結果としては・・・

「期待以上でした!」

少なくとも、再結成後の最高傑作で間違いないでしょう。

再結成後のSyrup16gのことを「ちょっと違うな」と感じていた人たちも納得できるアルバムだと思います。

素晴らしいアルバムなので、簡単に全曲の感想を述べていこうと思います。

それでは、どうぞ!




1.光のような

“犬が吠える”の代表曲となるはずであった曲。

はじめてアルバムを再生しこの曲が流れたときにまず思ったのは「ボーカルの音でっか!」でした。

かなり「歌」に比重を置いたアプローチをしているアルバムだなぁという印象です。

この曲がその代表格ですが、とにかく美メロな曲が多いので、そのアプローチで正しいと思います。

この曲は「中央線が止まっても」のCメロで一度落としておいてからの、ドラムのフィルインから爆発する「光のような」というサビがたまらない。

ここまでコテコテに王道すぎるサビのキメ方って、今まで意外となかったと思う。

1曲目にふさわしい「何かがはじまる期待感」が込められた曲ですね。

2.透明な日

「生還」で披露された曲。その後もライブで披露され続けた人気曲で、僕も大好き。

この曲も歌の力が強い。他の主張を薄めに、五十嵐の唄にフィーチャーした音作り。

「そのバスは今日も来ませんか」の「か」の字余り感が凄いんだけど、それが耳に残る。

音が高めなので、ライブだとかなり辛そうに歌うんだけど、それが良かったりする。

五十嵐はずるい。地声の音域は狭い方のボーカルだと思うけど、それが逆に武器になっている。

苦しそうに「君に勝てることは なにひとつない」と歌うからこそ、琴線に触れるんだよね。

他の歌が上手いボーカルに余裕で歌われても何も響かない。

3.Star Slave

昔、ニコニコ動画に落ちていた密録音源を聞いていた記憶があります。

まず、こうして正式にこの曲を聞けることが嬉しい。本当に、嬉しい。

はじめて聞いたときは、イントロが「月になって」に似ているからロマンチックな曲が始まるのかと思ったら、楽しげなファルセットが始まってびっくりした覚えがあります。

『coup d’Etat』に入っていそうな静→動の強弱法が目立つ曲で、サビの爆発力がすごい。

怒りではなく、“諦念”を叫ばせたら五十嵐は世界一だと思う。

最後のサビが終わってから流れるように入ってくるベースが美しいです。

4.冴えないコード

「生還」で披露された曲。Syrup16gのこういうガレージロックっぽい曲、好きです。

「冴えない」という言葉が執拗に繰り返される憂鬱な曲なんだけど、リズムやギターはハネていてどこか楽しげ。

僕はSyrup16gの「憂鬱すぎてなんかもう楽しい」的なノリが大好きで、雰囲気としては「I’m 劣性」に近いノリだと思う。

冴えないし、怠惰出し、つたないし、でも、それでもういいや。

って感じのネガティブ的ポジティブ思考。好きです。

5.ヒーローショー

「生還」で披露された曲。この曲は特に大好きだったので、音源化してくれて本当に嬉しい。

今回のアルバムで1番ハネている曲で、鼻歌を歌いたくなるような曲なんだけど、実は歌詞はかなり自暴自棄気味。

“意識は相当 不衛なモード” ”神経症で交友 増えねえ”とか、もう五十嵐節絶好調。

はじめは

“決心 生まれ変わって まともな人になる” って決意を歌っているのに、最後は

“決心 生まれ変わって まともな人になりたい” って願望になっているのが笑えるし、好き。

いや、決心してないじゃん!って。いかにも五十嵐らしい歌詞。

6.夢みたい

1997年!!から披露されているとても古い曲らしいです。1997年って、まだ『Free Throw』すら出ていないですね。

個人的には、この曲が1番syrup16gらしい曲だと思いました。

最後の「そう夢か」の「か」が素晴らしい。

五十嵐は字余りの最後の一音にすべての感情を載せるのが上手いです。

7.赤いカラス

“犬が吠える”の名曲がついに音源化。この曲目当てにアルバムを買った人も相当数いるでしょう。

「生還」の演奏に比べると、音がかなり厚くなっています。

ライブ音源に比べるとギターのローの音がかなり分厚くなっていますが、ライブ音源のあのヘロヘロなギターが好きだったりもしました。

この曲は単純にメロと歌詞が最高(※歌詞は一部「生還」から変更されています)。

“思いつきで転がした 今日が死んでいくのです”という歌詞が何気ないけど胸に刺さります。

前の曲の「夢みたい」もそうだし、『Mouth To Mouse』の「夢」もそうだけど、五十嵐が放つ「夢」という言葉はどうしてもこうも胸が詰まるのか。

最後の「夢」の連呼からのシャウトがたまらなく辛く、それでいて感情が解けるような快感があります。

8.upside down

この曲もニコニコ動画に落ちていた密録音源を聞いていた記憶があります。

『Mouth To Mouse』に収録されていそうな曲というか、イントロがすごく「回想」感がある。

今回のアルバムはイントロのベースが「これぞSyrup16g」って感じの曲が多いですね。「光のような」といい。

密録で聞いていた時はもう少し泥臭いイメージがあったのですが、歌詞が変わったからか、お洒落でポップな曲になりましたね。

もともとの歌詞が気になって調べたところ、例えば冒頭の歌詞は

“漂っていくんだ こうやっていつまでも 感情という名の化け物に付き合って”だったみたいです。

個人的には、元の歌詞の方が好きだなぁ。

9.ラズベリー

「生還」で披露された曲。

この曲は「生還」音源の方が好きです。

この曲のパワフルなドラムが大好きで、あのドラムが迫ってくるような終わり方が良かったんですが、全体的にドラムが後ろに追いやられている。

この曲は少しボーカルを後ろに下げて、リズム隊を前に出してほしかったかなー。ベースもウネウネで気持ち悪くて大好きだし。

アレンジには若干不安がありますが、曲は大好きで、クレッシェンドしながら迫ってきてばっさり消えるような、それでいて余韻の残る終わり方がカッコいい。

このアルバムに収録された「生還」の曲はこれで最後ですが、ここまで来たら「真夏のターンテーブル」も収録してほしかった

10.明けられずじまいの心の窓から

「夢みたい」と同様、1997年から披露されていた非常に古い曲らしいです。

はじめて聞きましたが、この曲は1発で好きになりました。

ギターのお洒落なカッティングのリズムがSyrup16gとしては珍しい感じでびっくり。

感情が正にも負にも動かず、繰り返しずっと浸かっていられる軽くてスッとする曲ってSyurup16gでは珍しいと思う。

例えるなら、スミスっぽい曲。そう表現すると、いかにもSyrup16gっぽいのだけれど。

11.4月のシャイボーイ

タイトルがアホみたいなので期待していませんでしたが、この曲最高です。

アルバムを数週だけ聞いた感想だと、この曲が1番好きかもしれない。

すごく『Free Throw』に収録されていそうな曲なんだけど、これいつの曲なんだ??

曲調は軽快なんだけど、ジェットコースターみたいに上り下りするサビのメロがどこかメランコリックで不思議な感じ。

「未来 数秒前の 現在進行形」の語呂感も素晴らしい。

曲調のおかげか、「なんもいいことがねぇ」って歌詞がそこまで辛くない。なんだろう、それこそシロップに浸かっているような「ぬるい憂鬱」感が心地よいです。

12.変拍子

明らかなに仮題をそのまま持ってきたと思われる投げやりなタイトルが好き。

タイトル通りものすごく変拍子な曲なのかと思ったら、言うほど変拍子ではなかった。

どちらかと言うと「暗い曲」みたいなタイトルの方が似合っていたと思う。笑

Aメロ→サビの強弱を活かした、分かりやすいくらいに暗くてSyrup16gっぽい曲。

13.光なき窓

なぜか分からないけど、この曲だけは聞いた瞬間にライブ映像が頭に思い浮かんだ。アコギを弾いている五十嵐の姿が。

「光なき窓」というタイトルだけど、ものすごくギターの音色がキラキラしていて、多幸感すら感じる。

でも、歌詞はものすごく切なくて、

“高校時代 覚えていない”という歌詞がもう分かりすぎる。

こういう「切なさと多幸感が同居する曲」、大好きです。

そういえば、『HELL-SEE』の「パレード」がまさしくそういう曲でした。”そばにいてくれ”という歌詞で「パレード」を想起しますし。

 

総評

冒頭でも書きましたが、再結成後の最高傑作だと思います。

「メリモ」風?に言うと「絶対これは買い」ってやつです。

ただ、僕は少し悔しさもあって。

「未発表曲集」が再結成後の最高傑作扱いされるのは、バンドとしては不本意なことだと思うんですよ。

それって、結局「昔の曲の方が良かった」ということだから。

もちろん、このようなアルバムを出してくれたことは本当に嬉しくて、幸せなことで、他の未発表曲もぜひ音源化してほしいのだけど。

でも、今のSyrup16gの曲だっていいし、きっと新曲オンリーで『delaidback』を超えるものだって作れると思います!

実際、再結成後の曲の中にも大好きな曲はいっぱいあるし!

このアルバムでSyrup16gに帰ってきた人は、ぜひ他の再結成後のアルバムも聞いてみてください!

 

とにかく!

『delaidback』は名盤でした!

以上、「Syrup16g『delaidback』の感想!再結成後の最高傑作です!」でした!

(やすぴろ)
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