音楽

Radioheadのおすすめアルバムはこれだ!全アルバムレビュー【前編】

音楽好きには6500万曲聞き放題の音楽配信サービス「Amazon Music Unlimited」がおすすめ!30日間無料です!

Amazon Musicの公式ページはこちら!

“Radiohead”

ふだん洋楽を聞かない人でも名前くらいは聞いたことがあるだろう。

そのくらい有名かつ重要なバンドで、「1990年以降最も重要なバンド」を選べと言われたら必ず名前が挙がるバンドだろう。

それほど有名なRadioheadは、洋楽初心者が聞くと「挫折」しやすいバンドでもある。『OK comuputer』を借りて「意味不明」となった方は少なくないのではないか。

Radioheadのバンドとしての特徴は「固定スタイルがないこと」だと思っている。アルバムによって音楽性ががらりと変わるのだ。

なので、はじめに聞くアルバムが非常に重要になってくる。ここを間違えると二度とRadioheadに戻れずに終わってしまう可能性が高い。

また、はじめに僕が好きなRadioheadのアルバムを上から順番に並べてしまうと、

①4th『Kid A』
②7th『In Rainbows』
③5th『Amnesiac』
④3rd『OK computer』
⑤2nd『The Bends』
⑥9th『A Moon Shaped PooL』
⑦6th『Hail To The Thief』
⑧8th『The King Of Limbs』
⑨1st『Pablo Honey』

となるのだが、これは全く参考にならない。アルバムごとに音楽性が違いすぎて、「自分の好きなアルバムが絶対だ!」とは言いにくいバンドなのだ。

これから全アルバムをレビューしながら、おすすめ曲を紹介していきますので、ぜひあなたの耳でRadioheadの音楽を感じてみてください。

あなたが良いと思ったアルバムがあなたの名盤です。

前置きが長くなりましたが、全アルバムデビューに参ります。

Pablo Honey(1993)

記念すべき1stアルバムで、Radioheadがまだふつうのギター・ロックをやっていたころの貴重なアルバム。

当時「英国からグランジへの回答」と評価されていたことから分かるように、NIRVANA的な静→動の強弱法や同じコードを繰り返す曲が多い。

Radioheadをスターにのし上げた「Creep」についても、「自己嫌悪丸出しな歌詞」を含め、あくまでNIRVANA的なアプローチの曲といえるだろう。

(とはいえ、何度聞いても「Run~」のカタルシスはすごい)

まだまだオリジナルティに欠ける作品で「未熟」であることは否定のしようがない。

しかし、「未熟」ということはそれだけ無垢で初期衝動にあふれているということだ。事実、このアルバムはRadioheadの「青さ」が詰まっているし、それ故に非常にエモーショナルな初期衝動がさく裂している。

Radioheadの神髄を堪能できるアルバムではないが、彼らの中で唯一の疾走感あふれるポップなアルバムとなっているので、入門としてはおすすめできます。

このアルバムからRadioheadにハマってしまうと、後のアルバムの変貌ぶりについていけない可能性がありますが・・・。

<スポンサーリンク>

The Bends(1995)

『The Bends』は『Pablo Honey』の完全上位互換と呼べる作品であり、彼らの最後の「ふつう」のギターロックアルバムであり、傑作です。

今なおライブなどで高い人気を誇る「Just」を聞けば、『The Bends』が『Pablo Honey』の正統進化であることが分かると思います。

(Just)

グランジ的なアプローチは同じですが、『Pablo Honey』より明らかに曲が作りこまれています。

また、「High & Dry」「Fake Plastic Tree」などバラードナンバーが光るのもこのアルバムの良いところ。

(「Fake Plastic Tree」。優しい弾き語りからの轟音が涙を誘う。名曲です)

トム・ヨークの美しい歌声が1番堪能できるのは『The Bends』だと思います。

このアルバム以降、Radioheadは「ふつう」のロックバンドの枠から急速に逸脱していきます。『The Bends』は3rd以降の彼らの音楽が苦手な人にとっては最後の砦のような作品であり、「RadioheadはThe Bendsまでしか認めない」人も少なくありません。

ですから、誤解を恐れず言うと、「誰にでも安心しておすすめできるアルバム」は『The Bends』までと言えるかもしれません。

本当に、『The Bends』は誰にでもおすすめできる普遍的で素晴らしい作品だと思います。

OK computer(1997)

洋楽を聞かない人でも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

そのくらい売れたアルバムだし、反響があったアルバムだし、後世に影響を与えたアルバムです。

「20世紀のロックの名盤」を選ぶと、必ずこのアルバムの名前が挙がるほどです。

では何が革新的だったのか?というと、意外と革新的なところはないと思うんです。

確かに2ndの「ふつう」のギターロックの枠は大幅に超え、電子音楽やプログレの要素を取り入れた難解な音楽になったが、それでもまだギター・ロックの延長に過ぎないし、すべて「今まで誰かがやってきた音楽」だ。

Radioheadの凄さは「革新的なところ」にあるのではなく、「急激に色々な音楽を吸収・融合して自分たちの音楽にし、それを革新的かつポップに見せる能力」にあると思うのだ。

Radioheadは「Creep」で有名になったことで、「第二のCreepを生み出すことを期待されるだけのバンド」になった。

しかし、彼らはそこに留まることを良しとはしなかった。『The Bends』に収録されている「My Iron Lung」という曲の中で、「これが僕らの新曲だ。前と同じような曲だろう?」と皮肉たっぷりに歌っている。

Radioheadのバンドとしての「肝」はここにある。つまり、「現状維持」を良しとしない姿勢、だ。「革新的」なことはしていないが、とにかく急激に様々な音楽性を吸収し、自分たちのものにする能力。それがRadioheadの「肝」なのだ。

だからこそ『The Bends』からたったの2年で『OK computer』という名盤が世に産み落とされたし、そこが偉大なのだ。

色々と語りすぎてしまったが、このアルバムを語る上で欠かせない1曲が「Paranoid Andriod」

(Paranoid Android)

複雑な曲展開(4部構成になっている)と轟音ギターがこのアルバムを特徴づけている。フェイバリットに挙げる人が非常に多い名曲だ。

僕が大好きな曲は「Let Down」。Radioheadの中で最も暖かく、美しい曲だと思っています。

(Let Down)

もうひとつが「No Suprises」。Radioheadの中で1番優しい曲です。グロッケンの音が優しい。歌詞が切ない。

(No Suprises)

2ndまでのRadioheadが好きだった人たちは、「OK computer以降のRadioheadはくそだ」と酷評します。

ある種、『OK computer』というアルバムは「今後のRadiohead」を理解できるかどうかの「ふるい」となっているのです。

しかし、よく聞けば『The Bends』の地続きにある素晴らしいアルバムだということが分かるはずです。

ちょっと聞いて嫌気がさしてしまった人はもう少し聞いてみてください。その少しが次の芸術の扉を開くはずです。

先ほどは1997年に発売した『OK computer』の商品リンクを貼りましたが、2017年に20周年記念版の『OK computer』が発売されています。

こちらはA面で『OK computer』の曲をすべて収録しているだけでなく、既存のBサイド曲8曲+「Lift」などのライブでのみ披露されていた名曲が3曲収録されたB面がついてくるので、今から聞くなら20周年記念版がおすすめです。

Kid A(2000)

「商業的自殺」とまで言われたこの作品は、さらにファンをふるいにかけるものとなりました(結果としては超売れたけれど)。

『OK computer』までは何だかんだでギター・ロックアルバムであったが、このアルバムは違う。ギターなどの有機的な楽器の音はほとんどなく、全編に渡って無機質な電子音が鳴り響いている。

表題曲「Kid A」を聞けば、このアルバムがいかに「問題作」であるか分かるだろう(3rdとの振れ幅という点において)。

(Kid A。途中までの音源)

これだけ振れ幅があるので当たり前だが、このアルバムで「完全にRadioheadと決別したファン」は少なくないし、逆に「Kid A以降のRadioheadしか認めない」というファンも生んだ。

僕はどちらかといえば後者寄りの人間だ。

僕はこのアルバムが1番好きなのだが、その理由はこのアルバムがRadioheadの中で「最も静的なアルバムであると同時に動的なアルバムでもある」からだ。

例えば1曲目の「Everything In Its Right Place」は典型的な無機質な電子音楽に聞こえると思うが、音源では控えめな4つ打ちの熱いリズムを感じ取れば、実はかなり肉体性の強い曲だと分かる。

(ライブ映像を見ていただければ「肉体性」の意味が通じるのではないか)

Radioheadの魅力の1つは「本来動的にアプローチすべき曲を音源では静的に落とし込むこと」だと思っている。だから、Radioheadの曲は音源とライブでがらりと雰囲気が変わるものが多い。

このアルバムはとても無機質で、それ故に優しく、部屋を真っ暗にして聞けば宇宙旅行へと誘ってくれるような静的で美しいアルバムなのだが、その一方で、Radioheadが本来持つ「肉体性」が隠せておらず、実は熱いリズムや過剰なメロディーが内包された素晴らしいアルバムなのだ。

また、このアルバムは「統一感」が素晴らしい。必然的にアルバム1枚通して聞いてしまう。

だから、僕の中では『OK computer』より『Kid A』の方が名盤だ。『OK computer』は1曲ごとの主張が激しすぎて喧嘩しているし、「Electioneering」のような『The Bends』期を引きずっている曲があり、流れがあまり良くない。

「名盤」と「名曲が多いアルバム」は全くの別物であり、『Kid A』は名盤なのだ。

思い入れの強すぎるアルバム故にレビューが気持ち悪くなってしまうので、おすすめの曲を貼って終わりとする。

中毒性のある暴力的なベースラインが特徴的な「The National Anthem 」。日本語にすると「国家」。

ドラムのリズムはヒップホップ的だし、ホーンセクションはジャズ風でもある。この曲を聞けば『Kid A』の「肉体性」が分かるのではないか。

(The National Anthem)

「How to Disappear Completely 」。『Kid A』以降多用される「オンド・マルトノ」の音色が美しい名曲。

(How to Disappear Completely)

この曲を歌うトム・ヨークはどこか遠くを見ているというか、それでいて歌声は赤ちゃんのようで、神秘的で好きだ。

上に貼ったライブ音源では「オンド・マルトノ」メインのアレンジでしたが、音源版もベースラインが暖かくて良い。

『Kid A』は全曲紹介したいくらい好きなのですが、この辺にしておきます。

<スポンサーリンク>

Amnesiac(2001)

『Kid A』と同時期にレコーディングされた曲がほとんどで、音楽性も非常に近いことから、『Kid B』と呼ばれることもあるアルバム。

『Kid A』が好きなら好きになるし、苦手なら苦手になるだろう。

雰囲気は『Kid A』に似ているが、やや電子音楽の要素は薄く、ギターはもちろんのこと、様々な打楽器やピアノなどの有機的な楽器の音が目立つのが特徴。

有機的な音楽から無機的な音楽への変遷具合で言うと、『OK computer』の後にすぐ『Amunesiac』が来た方がしっくりきたかもしれない。

おすすめ曲は「Pyramid Song」

(Pyramid Song)

ピアノの拍を追っかけているだけで知恵熱が出そうな複雑なリズムなのに、後半ドラムがポリリズムでリズムを刻むことでさらに複雑なリズムになる曲だ。リズムを追っかけまわしているだけで、パズルを解いているような快感がある。

僕は一応ドラマーですが、Radioheadのドラムの中でこの曲がフェイバリットです。自分ではあまり叩きたくないリズムです(誉め言葉)。

もうひとつ大好きな曲が「Knives Out」

(Knives Out)

ファンからフェイバリットとして名前が挙がることは少ない気がするが、名曲の中の名曲だと思っているし、メンバーからの評価も非常に高い。

シンプルなマイナーコードが悲しく、The Smithを彷彿とさせる切ない名曲だ。

続きは後編へ!

思い入れの強すぎるバンド故に非常にレビューが長くなってしまったので、これ以降のアルバムのレビューは後編に回すことにします!

以上、「Radioheadのおすすめアルバムはこれだ!全アルバムレビュー【前編】」でした!

Radioheadの全アルバムは『Spotify(スポティファイ)』などの音楽アプリで聞けます
おすすめ音楽ストリーミング(音楽聞き放題)サービスをまとめた記事も書いているので、ぜひあわせてご覧ください!