THE BACK HORN「あなたが待ってる」をレビュー。宇多田ヒカルとの共作!




今回はTHE BACK HORNのファン歴10年以上を誇る私が、彼らの25thシングル「あなたが待ってる」をレビューしたいと思います。

宇多田ヒカルとの共作が話題になっている曲ですね。




あなたが待ってる

(※THE BACK HORN公式チャンネルより) 

前作「With You」にひきつづきミディアム・バラード曲です。

前作ではじめて本格的に取り入れたピアノの音をまたまたふんだんに取り入れており、彼らが新しいタームに入ったことが分かります。賛否両論あるでしょうが、変わっていこうとする姿勢は高評価です。

曲としては音数が少ないミニマルなつくりの曲で、1つ1つの音が丁寧に鳴っています。かっちりしたドラムとは対照的に、ベースとピアノのリズム感は自由で、ちょっとジャズっぽい雰囲気がある曲ですね。

音数が少ないことで将司のボーカルを素直に聞くことができ、その落ち着いたボーカルに癒されます。将司のボーカルといえば「命を削っているような悲痛な叫び」が特徴的ですが、こういう素直な歌声を聞くと声が綺麗であることに気づきます。

この曲を作っている最中に「宇多田ヒカルの声が聞こえた」から宇多田ヒカルにコーラスを頼んだというだけあって、彼女の声が重なる瞬間に「はっ!」とする美しさありますね。将司の声って、意外と女性のハモリが合うんですね。これは新しい発見です。

また、「宇多田ヒカルとの共作!」という恰好のセールスポイントがあるにもかかわらず、それを前面に押し出さなかったのは彼ららしいな、と思いました。彼女の声を多用しているわけでもありませんし。

正直、「THE BACK HORNと宇多田ヒカルが化学反応を起こし、もの凄い曲ができた!」という感じでは全然ないんです。むしろ、今まで以上に等身大で、大きく見せようとしていない曲だと思います。誤解を恐れず言うと、「ふつう」の曲。あくまで「THE BACK HORNに宇多田ヒカルのエッセンスが少しだけ溶け込んだ」くらいのイメージに感じました。

ここまで「歌」の話を多くしてきたことから分かるように、どちらかと言うと「歌」にフューチャリングされた曲で、かっこいい演奏を聞きたい人には退屈かもしれません。しかし、2番Aメロと大サビ前のベースラインは「流石岡峰!」と言いたくなるような動き回るベースで、演奏面でも見せつけてくれます。

「こんなのはTHE BACK HORNではない!」という意見も分かりますが、私は変わらないロックバンドなどロックではないと思っているので、これからもTHE BACK HORNには色々な音楽に挑戦してほしいと思っています。

そういう点も含め、「あなたが待ってる」は良いシングルだと思いました。

ただ、歌詞については弱くなったと言わざるを得ないかなと思います。聞いていて胸に刺さる歌詞は特にありませんでした。

始まりの歌

カップリング曲「始まりの歌」は「あなたが待ってる」とは対照的な分かりやすいロックソングです。イントロの「ジャッジャッジャジャ」ってギターを聞いていると、THE BACK HORNって年齢のわりに若いなと思いますw

分かりやすいくらいにTHE BACK HORNのスタンダードな曲なのですが、私としては正直ほとんど興味を持てない曲です。

悪い曲では決してないのですが、他のTHE BACK HORNの曲で代用がきくという点で魅力的ではありません。『太陽の中の生活』とか『THE BACK HORN』に収録されてそうな曲調なんですよね。既視感がとても強い。

「変わってしまった」と批判する人もいますが、彼らの他の曲で代用ができないという点では「あなたが待ってる」の方がずっと魅力的です。

宇多田ヒカルとの関係

余談ですが、THE BACK HORNと宇多田ヒカルはこの曲ではじめて知り合ったわけではなく、昔から交流があります。そうでないと、あの宇多田ヒカルに共作など頼めないですよね。

宇多田ヒカルが彼らのライブに来てくれたり、飲みに行ったりすることもあったみたいです(けっこう昔の話みたいですが)。要は、お互いアーティストとしてファン同士だということですね。

ということもあり、将司と宇多田ヒカルが一緒に歌った曲は実はこれがはじめてではありません。宇多田ヒカルのアルバム『ULTRA BLUE』「One Night Magic」という曲のコーラスは将司です。

ちなみにこの曲のレコーディングには逸話がありまして、将司の声量があまりに大きすぎてマイクの音が何度も割れ、宇多田ヒカルを引かせたらしいですw

確かに、将司は声量お化けみたいなボーカルですからね。でも、その不器用な感じが彼の大きな魅力です。

このような繫がりがあったからこそ実現した曲が「あなたが待ってる」というわけですね!

まとめ

(Amazon・楽天で購入したい人は上です)

「THE BACK HORNらしくない」という意見も分かりますが、私は好きですし、変化を好意的に見ています。第一、40歳間近になって「やらせろよアバズレ」みたいな曲作られても困りますw

将司も昔ほど声が出なくなっているし、そろそろこういう「素直」な曲を作ってもいいと思うんですよね。そっちの方がバンドの寿命も延びると思う。

正直、この曲の他人の感想を見ていると、「THE BACK HORNらしさ」みたいな尺度で曲の価値を測っている人が多すぎで、「良い曲かどうか」が置いてけぼりにされている印象を受けるんですよ(もちろんそれを否定するわけではありませんが)。

私はこの曲が「質が高いか低いか」でいうと絶対に質が高い曲だと思っています。だから、良い曲が作れるのであれば「ファンが望むTHE BACK HORN像」みたいなものはぶち壊してくれて構わない。

ただ、もちろん「良い曲かどうか」の最終的な判断は主観的な感性に委ねられるので、それで従来のファンが彼らに着いていくかどうかは分かりません。ただ、少なくとも私は着いていくだろうな。と感じています。

良いシングルでした。

THE BACK HORNの全アルバムレビューもしているので、ぜひご覧ください。

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おわり。


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