塾講師のバイトはブラックなのか?評判は?面接は?経験者が語る




こんにちは。やすぴろです。

昨年くらいから、「ブラックアルバイト」が話題になっていますね。

そのなかでも、塾講師のバイトはブラックアルバイトの典型としてやり玉にあがることが多いように思います。はたして、塾講師のバイトの就業形態は、本当にそこまでひどいものなのか。5年間塾講師のバイトをした僕が、真実を語ります

ちなみに、僕が経験し、今回語るのは「集団授業」のバイトについてです。しかも、それなりに大手の塾を想像してください。個人経営の小さな塾や「個別授業」のバイトとは、勤務形態も業務内容もブラック度合いも大きく異なると思われるため、ご注意ください。

※一般的に、「集団授業」のバイトのほうがブラック度が高い。




面接

「塾講師 面接」で検索をかけている方が多いみたいなので、本旨とはずれますが、簡単に説明します。

まず、塾講師のバイトの募集ですが、ある程度の大学ならば勝手に募集チラシが手に入ると思います。僕は、学食で募集のチラシを見つけました。そのチラシに、「学生なのに100万円稼げる!?」と書いてあったことをいまだに覚えています。そうです。その文句につられました。

面接の前に、筆記テストがありました。問題は中学生レベルです(メインターゲットが中学生の塾なので)。正直、かなり微妙な点数だった記憶があるのですが、常識的な点数が取れていれば問題ないのだと思います。

面接については、「どの教科を担当したいか」「週に何日働きたいか」「茶髪は黒に染め直してね」という感じで、あっという間に終わりました。志望動機とかも聞かれたのかもしれませんが、記憶にないので、おそらく大したことは聞かれていません。

それはそのはずで、塾業界は慢性的にバイトが不足していますので、はっきり言ってある程度学力があって、ふつうの人間なら誰でもいいのです。なので、面接のときの「好待遇アピール」に騙されてはいけません。事実、僕の面接を担当した職員は、面接のときは仏のようでしたが、入ってみればそれはもうひどい人物でした。

その後、1か月くらい先輩の授業を見学しながらノウハウを学び、晴れて塾講師デビューを果たすことになります。

まっくろくろすけ

さて、ここからが本題です。みんなが1番気になるであろう、「塾講師のバイトは本当にブラックなのか?」という問いに対して、僕は自信をもってこう回答します。

「はい。まっくろくろすけです。」

これから、塾講師のバイトがブラックである由縁をつらつらと書いていきます。

ただ働きが非常に多い

塾講師のバイトは、「ただ働き」が非常に多い。新聞などでもよく問題として挙げられている点ですね。「100万円」稼げるかどうかは別として、非常に給料がよいと思われがちな塾講師のバイトですが、その点を考慮すれば、割に合うかどうかと問われれば疑問だ。

集団授業をするとなると、どうしても授業の「予習」というものが必要となってくる。どこをどのように教えるか、授業前に計画を練らなければいけないのだ。バイト経験を何年か積めば、予習にかかる時間も短くなっていくが、はじめのうちは膨大な時間がかかる。冗談抜きで、塾講師のバイトの仕事の30%くらいは、金にならない「予習」にあると言っても過言ではない

「予習」などしないで、テキトーに授業すればいいのでは?と思われるかもしれませんが、実際はなかなかそうもいきません。だって、実際に数十人の生徒の前で授業をするのですよ?先生だと思われているのですよ?教室に先生はただ一人で、誰も助けてくれないのですよ?よっぽど強靭なメンタルをお持ちの方か、ものすごく才能がある方でもない限り、少なくともはじめのうちは、しっかり予習をしてから授業に臨まなければと思ってしまうでしょう。対象が中学生と言っても、「県で1番頭のいい高校」を目指しているクラスの生徒とかは、本当に賢いですからね。生半可な授業では、すぐに「この先生はダメだな」と見抜いてくる。

また、授業が終わったあともすぐに帰れるわけではありません。教室を掃除したり、日誌などをつけていれば、あっという間に30分は潰れます。生徒だって、時間通りに帰るわけではありません。親の迎えを待つ生徒もいれば、授業後に質問にくる生徒もいます。これは嬉しい悲鳴でもありますが、生徒に気に入ってもらえると、なかなか帰ろうとしないということはよくあります。また、場合によっては保護者対応で帰りが遅れることもあります。

もちろん、すべてただ働きです。正社員にすら出ないのに、バイトに残業代など出るはずがありません。

その日のうちに消える給料

塾業界全体にあてはまる話ではなく、僕がバイトしていた塾特有のエピソードだと思いますが、参考までに説明します。

どういうことかというと、僕がバイトしていた塾では、授業後に先輩職員と食事に行くことが恒例となっていたのです。そして、その場でその日に稼いだお金の何割かが減っていく。

馬鹿らしい話だと思うかもしれませんが、一応この食事会には意味があって、その場で先輩や正社員の先生に「次の授業をどうするか」相談するという流れが確立されていたのです。いわゆる、次の授業の予習見せの場です。簡単に図にすると、こういう流れです。

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(ごめん、字小さくて見えにくいかも)

先輩から後輩へ授業のノウハウがしっかり伝えられるシステムとなっており、授業を受ける生徒の側から考えれば、良いシステムといえるかもしれません。しかし、バイトにとっては、お金がなくなるし、帰る時間も遅くなる地獄のシステムでした。

僕はこれに反発し、頻繁に食事会を断っていましたが、「〇〇くんさ、つぎの授業の予習誰かに見せたの?」「まさかそんなんで授業するつもりなの?」とぐちぐち言われる目に合いました。

今思い返しても、やはりこのシステムは「悪習」以外のなにものでもなかったように思います。予習を見せるだけなら、大学構内だって可能なことだ(同じ大学の先輩バイトがたくさんいました)。しかし、塾業界はけっこう「体育会系」で、古いしきたりを守りたがる傾向にあったように思います(ちなみに、僕がバイト4年目になったとき、その風習はなくしました)。

講習期間が地獄

塾には夏期講習冬期講習があります。塾によっては、正月講習などもあります。生徒にとっては楽しい楽しい夏休み・冬休みです。しかし、その期間は、大学生にとっては地獄の期末試験や中間試験期間であることが多いです。

講習期間は生徒数も授業数も非常に多いため、1人1人の先生が受け持つクラスの数は膨大なものとなります。そのため、「期末試験」だからという理由で勤務不可能な日を申告しても、「どうにかならないか」と説得されることになります(現実は、もっと逆らえない形で、高圧的に)。その結果、僕は1日6回授業(9:00~20:30まで)を1週間ぶっ通しでやったりしていました。もちろん、期末試験の真っ最中です。今思い返すと、よく体も精神も壊れなかったなと思います。講習期間中はいつも、ある種ランナーズハイ状態でした。

また、僕は本来「英語教師」でしたが、講習中は教師の数が足りないということで、担当外の科目も教えていました。「授業の質」という観点から考えても、ひどい話だと思います。

「教師の数が足りていないなら、正社員の先生を増やせばいいのではないか?」と思うかもしれません。それが正しい道です。しかし、それができないからこそ、塾業界はブラックなのです。要するに、正社員を雇うより、使い潰しがきいて単価の安いバイトのほうが便利なのです。バイトは「駒」なのです。もちろん、全職員がそう考えているというわけではありませんが、なかにはそう考えているとしか思えない人もいました(僕の面接を担当した人とか)。

留年率が異様に高い

講習期間と期末試験が重なった結果、どうなるか。当然、こうなります。

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実際、僕がバイトしていた塾では、留年しているバイトの先生がたくさんいました。僕は留年こそしませんでしたが、バイトが1つの要因となって、結局1年間休学することになりました。

講習期間中はものすごく稼げます。単純に、働いている量がものすごく多いからです。僕も、1カ月で30万円くらい稼いでいました。大学生にとって30万円は破格の金額でしょう。正直、僕の初任給より全然多くもらっている。

しかし、冷静に考えてください。留年することで、何十万円かかりますか。生涯年収がいくら減りますか?留年してまでするべきバイトなどこの世に存在しないのです。

融通のきかないシフト

講習の話でも触れましたが、塾講師のバイトはシフトの融通がきかないことが多いです。

塾のシフトは基本的に曜日制で、月曜日は〇〇会場の中2クラス、水曜日は△△会場の中3クラスといった塩梅なので、たまたまその曜日に用事が入ってしまっても、なかなか休むことができません。もちろん、どうしても休まなければならない場合もあると思いますが、その際は、自分で代わりの先生を探すように説教されることになります。「休むのなら代わりを探せ」は塾業界に限らずブラックアルバイトの典型なのでご注意ください。

愛着を持ってしまい、辞められなくなる

ここまで読まれた方のなかには、「いやいやいや。それならさっさと辞めればよかったじゃん」と思った方も多いことでしょう。本当にその通りだと思います

しかし、なかなか辞められない事情がありました。ブラックの典型として、辞めようとすると正社員が圧力をかけてくるということもありましたが、それ以上に、僕は受け持つクラスに愛着を持ってしまっていました

何年間もクラスを受け持っていると、なかなか辞められなくなります。僕は中1~中3までの3年間を受け持ったクラスがありましたが、本当は生徒が中3になるタイミングでバイトを辞める予定でした。授業をするのが嫌だからとかではなく、大学の卒業が危うかったからです。しかし、結局は偉い人の説得もあり、中学を卒業するまで担任を受け持つことになりました。「きみがいま辞めると非常に困る。生徒の君に対する信頼はものすごく厚い。君が辞めると、塾を辞める生徒が出てくるだろう」、と。事実、そのクラスに関していえば、生徒の僕に対する信頼は非常に厚く、僕のクラスに対する愛着も非常に強かった。要するに、「最高のクラス」を築き上げることに成功していたのだ。だから、授業をすること自体はとても楽しかったのだ。そのため、なんとか中学を卒業するまでは、自分の力でこいつらを教え抜きたいと思ってしまったのです。

「生徒の人生より自分の人生のほうが大切だろう」と簡単に辞めることを選べる人もいることだろうと思います。そして、それが大正解だと思います。しかし、クラスに愛着を持ってしまい、バイトを辞められなくなる先生は意外と多かったように思う。とくに、留年するような先生の多くはそのタイプでした。

ひとつアドバイスを送るなら、辞めるなら早い方がいいということです。その方が、自分につく傷口も、生徒につく傷口も浅くて済むでしょう。よく、新卒に対して「まず3年間働いてみろ」といいますが、あれは間違っていると思います。辞めたいと思ったときが辞めどきです。3年間あれば、次のキャリアに向かうためにどれだけのことができるか。3年間嫌な仕事を続けて、残るものはなにか。悩んでいる時間がもったいないと思います。といっても、現実はそう簡単にいかないことは重々承知ですが。かくいういまの僕がまさしくそうですから。

おっと、少し話が逸れましたね。とりあえず今回は、ここらへんで終わりにしましょう。

まとめ

今回の記事では、塾講師のバイトの「悪い」面をメインに書きましたが、もちろん良いところもたくさんありました。学んだこともたくさんあります。5年間塾講師のバイトを続けられたことは僕の誇りとなっていますし、結局、楽しかったのだと思います。プラス方向の話については、また別の機会でお話しします。

しかし、「ブラックか否か」という観点から考えると、塾講師のバイトはブラック寄りだと断言できます(もちろん、働く塾によって程度の差はありますが)。そして、大学生活が破滅する可能性の高いバイトであることは確かです。

この記事が、塾講師のバイトをするかどうか悩んでいる人の参考になれば幸いです。

当初の予定の3倍くらいボリュームのある記事になってしまいました。長いことお読みいただきありがとうございます。お疲れさまでした。

おわりっ!

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4 件のコメント

  • 私は個別の方で働いていたことがありますが、予習大変ですよね、、、。集団ともなるといろんな生徒がいるので本当に大変だと思います。何年も働いてある程度慣れてくればいいのかもしれませんが、割に合わないですよね(^^;)それにしてもここまでまっくろくろすけとは、、、!

  • 1年目のときは、仕事のほぼすべてが予習っていうくらい時間割かれてましたね〜。楽しいこともいっぱいあったんですが、ブラックであることは間違いないです。

  • こんにちは、色々なブログを閲覧していたら、こちらに辿り着きました。私は以前、個人経営の塾で働いていました。ちょっと変わった塾で、英語のクラスと、理数系のクラス、中高生対象のクラスに別れていて、英語のクラスは未就園児のクラスから大人のクラスまでありました。私は英語のクラス担当でした。
    その塾は、大手の塾とも提携していて、別校舎も設けていたりしたんですけど…今思えば、「こんな私でも働かせてくれてありがたい」という気持ちでバリバリ働いていた(つもり)ですが、実際はちょっとブラック入ってたかも(^_^;)。

  • こんにちは。お読みいただきありがとうございます。
    そうなんですよね〜。僕も自分が働いていたころは「よし!頑張るぞ!」って思って働いていたんですけど、大人になってから振り返ると、「いま思うと、アレッて完全にブラック企業だったよなぁ…」って感じです。最近、新聞などでも頻繁に取り上げられていて、「やっぱり問題だったのか…!」と思ってこの記事を書きました。

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